スピリチュアリティ革命―現代霊性文化と開かれた宗教の可能性

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現代世界のあらゆる局面において表現され、今後もさらなる発展が(著者によって)期待される「スピリチュアリティ」の諸相とその構造について、慶応大学准教授である著者が「求道者」としての立場から論じた作品。類似の仕事に、東京大学の島薗進教授が著した『スピリチュアリティの興隆』(岩波書店、2007年)があるが、本書の著者は島薗氏にはあった研究者としての節度を捨て、霊性文化をきわめて自覚的にあおることを目的としている。私的には宗教性の価値を尊び称揚する運動には大いに賛同するのだが、この種の言説に冷めた読者の心には、こうした「宣教」の言葉は響かないだろう、というのが率直な感想である。
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